ABSTRACT 1914(P8-1)
SART-1抗原内に存在するHLA-A24+患者に対する癌ワクチンペプチドの同定: 松永和子1,2、菊地 慈1,2、 中尾真修1,2、七條 茂樹1、伊東恭悟1,2(1久留米大・医・免疫、2久留米大・先端癌治療研究センター・がんワクチン分子部門)
Identification of an immunodominant peptide capable of inducing the HLA-A24-restricted and SART-1-specific cytotoxic T lymphocytes : Kazuko MATSUNAGA1,2, Megumi KIKUCHI1,2, Masanobu NAKAO1,2, Shigeki SHICHIJO1, and Kyogo ITOH1,2 (1Dept. Immunol. Kurume Univ. Sch. Med., 2Cancer Vaccine Development Division Kurume Univ. Research Center for Innovative Cancer Therapy)
[目的]我々は、食道癌患者の末梢リンパ球よりHLA-A26拘束性CTL株(HLA-A2601/2402,B5101/40012, Cw0102/0302)を樹立し、このCTL株が認識するHLA-A26拘束性癌拒絶抗原(SART-1)を同定した。さらに、我々はSART-1抗原のHLA-A24拘束性抗原ペプチド(SART-1690-698)を同定した。今回、我々はSART-1690-698ペプチドの癌ワクチンとしての可能性を検討した。
[方法]SART-1690-698ペプチドを用いたHLA-A24陽性癌患者及び健康人末梢リンパ球からのCTLの誘導において抗原提示細胞としての樹状細胞(Dendritic cell)及びアジュバントとしてのサイトカインの有効性を検討した。
[結果]SART-1690-698ペプチドによって誘導されたCTLはHLA-A24拘束性にSART-1抗原を認識した。また、樹状細胞を用いたCTL誘導では細胞増殖が促進され、一部のサイトカインにおいてはCTL活性が増強された。患者及び健康人末梢血中にはSART-1抗原を認識するCTLprecurcorは高頻度に存在することが示唆された。