ABSTRACT 1916(P8-1)
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HLA-A24拘束性癌拒絶抗原 (SART-2) の解析: 今泉登史宏1,2、中尾真修1,2、菊地 慈1,2、井上佳子1,2 松永和子1,2、伊東恭悟1,21久留米大・医・免疫、2久留米大・先端癌治療研究センター・がんワクチン部門)

Analysis of the tumor rejection antigen (SART-2) recognized by HLA-A24 restricted CTL. : Toshihiro IMAIZUMI1,2, Masanobu NAKAO1,2, Megumi KIKUCHI1,2, Yoshiko INOUE1,2, Kazuko MATSUNAGA1,2, and Kyogo ITOH1,2 (1Dept. Immunol. Kurume Univ. Sch. Med., 2Cancer Vaccine Development Division Kurume Univ. Research Center for Innovative Cancer Therapy)

[目的]我々は、食道癌患者の末梢リンパ球より、HLA-A24拘束性CTL株(HLA-A2402/2601)を樹立し、このCTLを用いて、HLA-A24拘束性癌拒絶抗原 (SART-2) を同定した。本研究では、SART-2抗原遺伝子の種々の癌細胞株における発現及び、SART-2抗原の癌抗原ペプチドのワクチンとしての可能性を検討した。
[方法]種々の正常及び、癌の細胞株と組織よりRNAを抽出し、SART-2抗原遺伝子に特異的な probeとprimer を用いて、Northern blotting 及び , RT-PCR を行った。また、この遺伝子の Deletion mutants を作成し、これらに対するHLA-A2402拘束性CTL株の反応性を、IFN-γ ELISA にて測定し、HLA-A2402に拘束される抗原ペプチドについて検討した。
[結果]SART-2抗原遺伝子は、正常組織において広く発現されていた。また、癌細胞においても扁平上皮癌をはじめ広く発現していたが、腺癌(胃癌、大腸癌、肺腺癌、卵巣癌)細胞株では、ほとんど発現していなかった。また、SART-2抗原のHLA-A24拘束性抗原ペプチドを同定した。このペプチドを用いて健康人及び、癌患者の末梢血リンパ球よりCTLを誘導したところ、HLA-A24拘束性に癌細胞を認識した。
[結論]SART-2抗原遺伝子によりコードされる癌抗原ペプチドHLA-A24拘束性CTLが誘導されたことより、このペプチドのワクチンとしての可能性が示唆された。