ABSTRACT 1917(P8-1)
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肝細胞癌におけるMAGE,GAGE,BAGE癌拒絶抗原の発現:小林功幸1, 東 俊宏1, 能祖一裕1, 狩山和也1山野智子1, 中務治重1, 石崎正彦1, 金吉俊彦1, 利國信行1大西 亨1, 辻 孝夫11岡山大・医・一内)

Expression of MAGE, GAGE and BAGE tumor-rejection antigens in human hepatocellular carcinoma: Yoshiyuki KOBAYASHI1, Toshihiro HIGASHI1, Kazuhiro NOUSO1, Kazuya KARIYAMA1, Tomoko YAMANO1, Harushige NAKATSUKASA1, Masahiko ISHIZAKI1, Toshihiko KANEYOSHI1, Nobuyuki TOSHIKUNI1, Tohru OHNISHI1, Takao TSUJI1 ( 1First Dept. Int. Med., Okayama Univ.)

【目的】肝細胞癌(HCC)における癌拒絶抗原遺伝子MAGE, GAGE, BAGE遺伝子のmRNAおよび蛋白レベルでの発現と臨床病理学的因子との関連について検討した。【対象と方法】HCC切除例33症例およびその非癌部26例を対象とし, RT-PCR法にてMAGE, GAGE, BAGE 遺伝子の発現を, MAGE-1,-3蛋白については抗ヒトマウスモノクローナル抗体 (G.Spagnori 供与)を用いLSAB法による免疫染色を行った。また血清学的HLA typingも行った。
【結果】MAGE-1, MAGE-3, GAGE1-6, GAGE1-2, BAGE mRNAの発現率はそれぞれ67, 39, 36, 30, 21%で非癌部での発現は認めなかった。MAGE-1遺伝子はStage, 組織分化度等の因子には相関はなく細小肝癌, 高分化型肝癌やAFP, PIVKA-II陰性症例においても高率に発現していた。MAGE-3陽性HLA拘束性症例は38%存在した。MAGE-1,-3蛋白は癌部のみに発現し, 癌結節内およびその周囲にリンパ球浸潤を認める症例が存在した。
【結論】MAGE 腫瘍抗原はmRNA および蛋白レベルにおいて癌部のみに発現しており, 特異的免疫療法のターゲットとしての可能性のみならず腫瘍マーカーとしての有用性が示唆された。