ABSTRACT 1919(P8-1)
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CEA産生細胞に対するHLA-A2402拘束性自己細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の誘導とその抗原ペプチドの同定:金昌鉉1,2,西條薫1,松村正利2,大野忠夫11理研・細胞開発銀行,2筑波大・農)

In vitro induction of HLA-A2402 restricted and carcinoembryionic antigen (CEA)-specific autologous cytotoxic T lymphocytes on fixed peripheral blood cells and indentification of its epitope peptide: Chang Hyun KIM1,2, Kaoru SAIJO1, Masatoshi MATSUMURA2, Tadao OHNO1 (1 RIKEN Cell Bank, The Inst. Phys. Chem. Res. (RIKEN), 2 Inst. Applied Biochem., Univ. Tsukuba)

【目的】我々は前年度の本会において固定APCを用いてCEAに対するHLA-A2402拘束性CTLが誘導されることを報告した。今回はCTLに対するCEAのHLA-A2402拘束性ペプチドの同定について検討することを目的とした。 
【方法】 HLA-A2402を有する健常人末梢血より得たプラスチック付着細胞をAPCとして用い、CEA結合microbeadsを貪食させformalinで固定してからリンパ球を添加、IL-1,2,4,6を添加したRHAMα培地でCTLを誘導した。さらに、CEAのHLA-A2402拘束性抗原ペプチドをAPCにパルスし, CTLの誘導も行った。
[結果] 誘導したCTLは、CEAとHLA-A2402を共に発現するMKN45細胞に対し細胞傷害活性を強く示したのに対し、CEAを発現していないGT3TKBとHpt10細胞には細胞傷害活性示さなかった。またCEA由来HLA-A2402拘束性ペプチドをパルスしたGT3TKBに対する細胞傷害活性を示し、テストした10種類のペプチドすべてにこの活性を認めた。このうちの1種類の抗原ペプチドを用いて誘導したCTLもMKN45細胞に対して強い細胞傷害活性を示した。CTLの細胞傷害活性は抗CD3、抗CD8、抗MHC-I抗体により阻害された。
【考察】 固定APCを用いて誘導されたCTLがCEA由来のCEAのHLA-A2402拘束性抗原ペプチドを認識されることを明らかにした。(一部科技庁振調費による)