ABSTRACT 1920(P8-1)
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BALB/c放射線白血病RL♂1に存在する新たな腫瘍抗原ペプチドの検索: 小野俊朗1、本多伸一郎1,2、鬼塚正三郎1,2、上中明子1、中山睿一11岡山大・医・寄生虫、2長崎大・医・腫瘍)

Possible CTL-recognizing peptide on RL♂1 tumor cells other than pRL1a: Toshiro ONO1, Shinichiro HONDA1,2 Shozaburo Onizuka1,2, Akiko UENAKA1, Eiichi NAKAYAMA1 ( 1Dept. Parasitol. and Immunol., Okayama Univ. Med. Sch., 2Dept. Oncol., Nagasaki Univ. Med. Sch.)

【目的】我々はBALB/c放射線白血病RL♂1について、1.CTL認識抗原ペプチドpRL1aが原癌遺伝子c-aktの非翻訳領域に由来すること、2.MuLV-LTRと由来不明の6塩基が非翻訳領域へ挿入されたため、5'側の非翻訳領域を含む変異Akt蛋白がRL♂1において強発現していることを報告した。今回、変異Akt蛋白が強発現することによって、pRL1a以外のペプチドがCTL認識抗原となりうるかを検討した。
【方法】1.ペプチドの合成:正常Akt蛋白のアミノ酸配列よりクラスIのモチーフに合致するペプチドをF-moc法にて合成した。2. RL♂1特異的CTLの誘導: RL♂1拒絶F1マウスの脾細胞をin vitroでMMC処理したRL♂1にて再刺激した。3.ペプチドのCTL感作活性: ペプチドをパルスしたP1.HTR細胞を標的細胞として用い、51Cr遊離試験を行った。
【結果と考察】1. 正常Akt蛋白内にクラスIのモチーフに合致するペプチドは11個見出された。2.RL♂1のみの刺激によって得られたCTLはこのうちの一つに対して細胞傷害活性を示した。 以上の結果より、このペプチドはRL♂1における新たなCTL認識抗原ペプチドであることが示唆された。