ABSTRACT 1932(P8-3)
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HLA結合ペプチドライブラリーを用いた癌細胞傷害性T細胞の誘導:綿屋洋1、上川路信博2、原信之1、笹月健彦21九大・胸研,2九大・生医研・遺伝)

Use of combinatorial peptide library for induction of Tumor Specific CTL: Hiroshi WATAYA1, Nobuhiro KAMIKAWAJI2, Nobuyuki HARA1, Takehiko SASAZUKI2 (1 Research Institute for Diseases of the Chest, 2 Dept. of Genet., Med. Inst. of Bioreg., Kyushu Univ.)

目的 ペプチドライブラリーを用いた癌細胞障害性T細胞の誘導および癌抗原の解明を目的とした。
方法 HLAクラスI分子に結合し得る9アミノ酸からなるペプチドの全ての組合せを含む209種のペプチドミクスチャーおよび、HLA-A*2402結合モチーフに基づいてデザインした20種からなるペプチドミクスチャーを合成した。肺癌患者胸水中のリンパ球を、これらのペプチドミクスチャーをパルスしたB細胞株およびIL-2存在下に培養し細胞傷害性T細胞(CTL)を誘導し、肺癌細胞株に対する細胞障害性を検討した。
結果および考察 HLA-A*2402陽性の肺癌患者胸水より、癌細胞株を樹立した。同一患者の胸水中リンパ球より、ペプチドミクスチャーを用いて、ペプチド特異的細胞傷害性を有するCTLが誘導された。209種のペプチドミクスチャーで誘導したT細胞株および20種のペプチドミクスチャーの中の少なくとも1組で誘導したT細胞株に関して、自家癌細胞株に対する弱い細胞障害活性が認められた。現在、T細胞クローンによる癌細胞障害能の確認を行っており併せて報告する。