ABSTRACT 1933(P8-3)
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消化器癌所属リンパ節リンパ球のサイトカイン産生能の検討:中山 洋, 北山 丈二, 名川 弘一, 武藤 徹一郎(東大・外)

Intracellular Cytokine Profile of Lymph Node Lymphocyte draining Gastrointestinal Cancer: Hiroshi NAKAYAMA, Joji KITAYAMA, Hirokazu NAGAWA, Tetsuichiro MUTO (Dept.of Surg. Oncol., Univ.Tokyo)

目的)リンパ節転移を生ずる癌所属リンパ節内では、一種の免疫寛容が誘導されていることが示唆されている。そのなかにリンパ節内リンパ球(以下LNL)のサイトカイン産生能やTh1/Th2バランスの異常があるかを検討した。 方法) 胃及び大腸の進行癌の所属リンパ節からLNLを分離し、Brefeldin A存在下でPMA+Ionomycinによる活性化を行ない、抗CD4抗体及び抗サイトカイン抗体(IFN-γ, IL-2, IL-4)で染色、フローサイトメトリーで解析した。LNL内のサイトカインの表出を、健常人末梢血(以下PBL)のものと比較検討した。 結果)CD4(+)LNLでは、IL-2・IFNγ・IL-4陽性リンパ球がそれぞれ12.6%・5.9%・1.2% (IL-2/IL-4=29.0、IFNγ/IL4=10.8)であった。 CD4(+)PBLではIL-2・IFNγ・IL-4陽性リンパ球がそれぞれ40.4%・18.3%・3.9% (IL-2/IL-4=11.6、IFNγ/IL4=5.8)であった。 結論)LNLではPBLに比し、 CD4(+)リンパ球のIL-2・IFNγ・IL-4の産生が抑制されている傾向が見られた。Th1/Th2バランスは個々の症例により差が大きく、明らかな傾向は認められなかった。