ABSTRACT 1934(P8-3)
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2種類のMAGE-3抗原由来ペプチドによるHLA-A*2402拘束性CTLの抗腫瘍活性の比較検討:桂文裕、江浦正郎、大礒正剛、近松一朗、石川哮(熊本大・耳)

Analysis of HLA-A*2402 restricted cytotoxic T lymphocytes against two antigenic peptides derived from MEGE-3: Fumihiro KATSURA,Masao EURA,Masatake OHISO,Kazuaki CHIKAMATSU,Takeru ISHIKAWA (Dept.Otolaryngology,Kumamoto Univ)

(目的) 昨年の本学会においてMAGE-3抗原由来でHLA-A*2402に高親和性を示す2種類のペプチドがCTLのエピトープとなりうることが当教室及び田中らによりそれぞれ報告された。今回健常人よりこの2種類のペプチドを用いてHLA-A*2402拘束性CTLを誘導しその抗腫瘍活性を比較検討した。(方法) HLA-A*2402を有する健常人のPBMCをGM-CSF,IL-4,IL1α,IL-2,IL-6,及びIL-12の存在下にHLA-A*2402に結合する2種のペプチド(M3-p97,M3-p195)を刺激源としてCTLの誘導を試みた。(結果と考察) 誘導したCTLはC1R-A*2402 cell line にそれぞれのペプチドをpulseしtarget とした場合E/T ratio 20/1でM3-p97が48.2%、M3-p195が42.1%の細胞傷害活性を示した。これらのCTLはMAGE-3+/HLA-A*2402+の癌細胞株(HSC-4)に対しても同等の細胞傷害活性(約12%)を示し、CD8抗体及びHLA-A*24抗体でキラー活性が抑制されていた。これらの結果よりM3-p97,M3-p195のCTL誘導能はほぼ同程度でありMAGE-3+/HLA-A*2402+の癌細胞株でこれらのエピトープの発現も同程度であることが示唆された。さらにMAGE-3+/HLA-A*2402+の種々の癌細胞に対する抗腫瘍活性を調べさらに解析した結果を報告する予定である。