ABSTRACT 1935(P8-3)
 ポスターセッション一覧 トップ 


HLA-A 24拘束性HER2/neu epitope peptide の同定と誘導したCTLの抗腫瘍活性:田中 一1、谷村 弘1、角田卓也1、松田健司1、溝端静馬1、山上裕機1、竹迫一任2川嶋一郎21和歌山県立医科大学・第2外科、2宝酒造・バイオ研)
Antitumor effect of CTL lines induced with HER2/neu-derived peptide, restricted to HLA-A24 : Hajime TANAKA1, Hiroshi TANIMURA1,Takuya TSUNODA1, Kenji MATSUDA1 Shizuma MIZOBATA1, Hiroki YAMAUE1 Kazutoh TAKESAKO2, Ichiro KAWASHIMA2 (1Second.Dept. of Surg., Wakayama Med. School, 2Takara shuzo Biotech.Res.Lab.,)

[目的]日本人の約 60% が陽性のHLA-A24 拘束性に、 消化器癌、乳癌、卵巣癌で高発現している HER2/neu 抗原を特異的に認識する CTL を誘導し、その抗腫瘍効果を解析した。
[方法]HLA-A24 陽性健常人から末梢血単核球を分離し、IL4,GM-CSF 存在下に1週間培養して樹状細胞を誘導した。それを抗原提示細胞とし、 HER2/neu 由来の peptide で pulse したものをCD8 陽性T細胞と反応させた。
週1回の刺激を繰返し、CTLを誘導した。細胞障害性の見られた peptide でさらに3例の誘導を行った。
[結果]得られた CTL は、刺激に用いた peptide を pulse したターゲット細胞に対し、高い細胞障害性を示し、またHLA-A24 陽性の HER2/neu 高発現癌細胞株に対しても、A24 陰性株に比べて、約2倍の高い細胞障害性をもつことが判明した。
[結語]HER2/neu 由来のpeptide を用いて、健常人末梢血単核球からHLA-A24 拘束性の特異的 CTL を誘導できることから、 Her2/neu を標的とする免疫療法の可能性が示唆された。これを基に、DCとpeptideを用いた治療法の臨床応用が期待できる。