ABSTRACT 1937(P8-3)
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白血病細胞傷害性T細胞様のゼラチンビーズの開発: 横澤敏也1,宮村耕一1, 飯島也万1, 谷本光音1, 森山和重2, 藤野隆一2, 斎藤英彦11名大・医・一内,2富士レビオ研究所)

Development of cytotoxic T-cell like gelatin beads : Toshiya YOKOZAWA1, Koichi MIYAMURA1, Narikazu IIJIMA1, Mitsune TANIMOTO1, Kazushige MORIYAMA2, Ryuichi FUJINO2, Hidehiko SAITO1 (1First Dept. of Int. Med., Nagoya University School of Medicine, 2Reseach Institute, Fuji Revio Inc.)

細胞傷害性T細胞の抗白血病作用のメカニズムとしてTCRによる白血病細胞へのtargetingおよびeffector分子によるapoptosisの誘導が想定される。 effector分子の一つとしてFas Lがあり,標的細胞上のFasに結合し,それらを重合させapoptosisのシグナルが伝達されると考えられている。我々はFas Lのかわりに抗Fas抗体(CH11),TCRのかわりに抗CD10抗体(NL1,上田龍三博士より供与) を固相化したゼラチンビーズを作成し,細胞株に対する細胞傷害性をPI法を用いて検討した。最初にCH11のみを固相化したビーズのU-937に対する効果を検討した。同濃度のfreeのCH11との比較では,ビーズ/細胞比= 10, 20,40,80において,freeのCH11は3.3,3.6,4.1, 5.1%), Fasの付いたビーズは14.4, 15.9, 22.9, 31.5%とfreeのCH11に比べて細胞傷害性が明らかに増加した。次にCD10(+)のNALM-6に対しては,CH11と同時に固相化するNL1の濃度を0, x1,x10と増すことにより,NL1の濃度に従って光顕での観察で細胞へのビーズの付着が増加した。また細胞傷害性はビーズ/細胞比=20において9.5%, 10.1%,14.0%と光顕の結果と同様に増強した。ビーズ上への固相化により抗Fas抗体の細胞傷害性の増加が示されたため,現在特異性の向上について検討中である。