ABSTRACT 1938(P8-3)
熱ショック蛋白(HSP)をパルスしたdendritic cellによる抗腫瘍免疫の誘導:田村保明, 高後裕 (旭川医大・第三内科)
Induction of anti-tumor immunity by HSP pulsed dendritic cell : Yasuaki TAMURA, Yutaka KOHGO (3rd Dept. of Int. Med., Asahikawa Medical College)
【目的】熱ショック蛋白(HSP)はマクロファージュなどのAPCに取り込まれ、これに結合している抗原ペプチドはAPC上のMHCクラスI 分子に提示されることが知られている。今回我々はdendritic cell(DC)がパルスされたHSP結合抗原ペプチドをT細胞に提示し得るか否かについて検討した。
【方法】Vesicular stomatitis virus (VSV)を感染させたマウスEL4よりHSP70、gp96を精製した。またコントロールのHSPは未感染のEL4から得た。CTLはVSVのnucleoprotein由来のペプチド特異的CTLクローン(Kb拘束性)を用いた。DCは骨髄細胞をGM-CSF,IL-4とともに培養して得た。CTLとの反応性はIFN-γアッセイによって検討した。
【結果】VSV感染EL4由来のHSPをパルスされたDCは効率良くCTLに認識された。BFA処理したDCや、TAP knock outマウスのDCではその反応性は認められなかった。またHSPをパルスしたDCをマウスに免疫すると、特異的なCTLを誘導することが可能であった。