ABSTRACT 1943(P8-3)
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キラーT細胞によるヒト膵癌PUN拒絶の分子機序: 廣橋良彦1、佐原弘益1,2、鳥越俊彦1、高橋延昭2、平田公一3、和田好正3、佐藤昇志1、菊地浩吉1 (1札医大・第一病理、2臨海医研、3第一外科)

Molecular analysis of tumor rejection of human autologous pancreatic carcinoma PUN by cytotoxic T lymphocytes : Yoshihiko HIROHASHI1, Hiroeki SAHARA 1,2, Toshihiko TORIGOE1, Nobuaki TAKAHASHI2, Koichi HIRATA3, Yoshimasa WADA3, Noriyuki SATO1, Kokichi KIKUCHI1 (1Dept. of Path. Sapporo Med. Univ., 2Marine Biomed. Inst., Sapporo Med. Univ., 3Dept of First Surgery, Sapporo Med. Univ.)

癌抗原ペプチドを用いた治療法はヒトメラノーマでは新しい免疫療法として特定のHLAハプロタイプでは確立されつつある。しかし、臨床的に大切なのは圧倒的に発生頻度の高い胃癌や診断、治療法の難しい膵癌などの上皮性腫瘍でも抗原ペプチド療法が有効であることを決定し、免疫療法を確立できるかどうかを検討することである。このような目的のために、我々は腫瘍性腹水よりヒト膵癌PUNを樹立し、これを障害するCD8(+)キラーT細胞(CTL)TcPUNラインを得、その分子機序について解析を進めた。すなわち、まず各HLAハプロタイプ特異的単クローン抗体を用いて提示分子を決めたところHLA-A26と確定された。次にMLTCを各々別な時に行いTcPUN line 1とline 2を得、RT-PCR法によりT細胞レセプター(TCR)の構造を解析した。その結果いずれもVα18/JαF/Cα-Vβ7・1/Dβ/Jβ1.4/Cβ2であり、junctional sequenceも同一であった。すなわち、ドミナントな抗原がPUNに発現し、これらのCTLを誘導していることが推測された。現在、この抗原につき発現クローニングを行っている。