ABSTRACT 1944(P8-3)
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婦人科癌患者の細胞性免疫反応:スーパー抗原に対する反応性とインターフェロンガンマ産生能:斎藤俊章1、岡留雅夫1、宮本新吾、松永恵子2、真柴温一21九州がんセ・婦、2九州がんセ・免疫)

Cell-mediated immune responses in patients with gynecological cancer: reactivity to superantigen and interferon gamma production : Toshiaki SAITO1, Masao OKADOME1, Shingo MIYAMOTO1, Keiko MATSUNAGA2 ,Harukazu MASHIBA2 (1Dep. of Gynecol. and 2Div. of Immunol, Natl. Kyushu Cancer Center)

[目的]癌患者では、細胞性免疫反応の低下が指摘されている。今回、T細胞レセプターを介してT細胞を活性化する物質であるスーパー抗原を用いて、婦人科癌患者の反応性とインターフェロンガンマ産生能を末梢血および所属リンパ節について検討した。
[方法および結果]子宮頚癌、卵巣癌患者の末梢血および所属リンパ節よりリンパ球を分離し、種々の濃度のstaphylcoccal enterotoxin B(SEB)と48時間培養し、チミジンラベルにより細胞増殖を調べ、また、培養上清中の インターフェロンガンマ活性を測定した。SEB添加培養後、さらに、IL-2存在下で5日間培養し、自家癌に対する細胞障害効果をneutral red染色を用いて調べ、自家癌とのリンパ球混合培養上清中の インターフェロンガンマ活性を測定した。SEBに対する反応は、末梢血では、進行癌で低下の傾向を認めた。所属リンパ節では、症例により変動がみられたが、末梢血に比べて、軽度に低下していた。SEB添加によるインターフェロンガンマ産生能は、所属リンパ節では、近位節、遠位節ともに著明に低下していた。SEB添加した後、さらにIL-2添加培養したリンパ球では、培養自家卵巣癌に対して細胞障害効果を認め、その培養上清中に高いインターフェロンガンマ活性を認めた。以上の結果から、スーパー抗原およびIL-2を用いることにより、癌患者のT細胞機能の測定と細胞障害性T細胞の増殖と活性化による自家癌細胞のkillingの可能性が示唆された。