ABSTRACT 1945(P8-3)
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大腸癌先進部マクロファージと腫瘍浸潤CD8陽性T細胞の関連性: 内藤吉隆1、大谷明夫1、斉藤一也1,2、椎葉健一2、名倉宏1. (1東北大・医・病理、2東北大・医・外)

Correlation with macrophages along the cancer margin and CD8+ T-cells within cancer cell nests in colorectal cancer : Yoshitaka NAITO1, Haruo OHTANI1, Kazuya SAITO1,2, Kenichi SHIIBA2, Hiroshi NAGURA1 (1Dept. of pathology, Tohoku univ., 2Dept. of surg., Tohoku univ.)

 [目的] 癌はヒト免疫反応を回避し浸潤増殖するが、我々は大腸癌先進部のマクロファージにcostimulatory molecules B7-1, B7-2の発現があり、癌に対する免疫反応の存在や大腸癌細胞間CD8陽性T細胞の浸潤度が術後生存率と有意な相関を示した。今回この両変数の相関を検討した。[方法] 大腸癌74例の手術標本を用いCD8とCD68の免疫染色を行った。前者は、陽性細胞を癌細胞間でx 200視野で観察し、後者は、癌先進部の浸潤度で、4段階にscore化した。[結果] CD8免疫染色はScore 0 (S0) 34例, S1 11例, S2 14例, S3 15例で、CD68免疫染色はS0 6例, S1 45例, S2 18例, S3 5例となった。癌先進部マクロファージの浸潤度は術後生存に差を与えなかったが、癌細胞間CD8浸潤度との間に、有意な相関関係を認めた。[結語] 大腸癌先進部マクロファージは抗原提示細胞として、癌細胞間浸潤性CD8陽性T細胞と関連し、その生物学的悪性度を弱めている組織学的な傍証を得た。
(東北労災病院外科 大内明夫先生との共同研究による。)