ポスターセッション

一覧　トップ

腎細胞癌における免疫型proteasome subunitsの遺伝子発現：村上佳秀、井上善雄、神田和哉、黒川泰史、横田欣也、金山博臣、香川 征（徳島大・医・泌）

Gene expression of immuno-proteasome subunits in renal cancer： Yoshihide MURAKAMI, Yoshio INOUE, Kazuya KANDA, Yasushi KUROKAWA, Kin-ya YOKOTA, Hiro-omi KANAYAMA, Susumu KAGAWA ( Dept. Urol., Sch. Med.,Tokushima Univ. )

【目的】癌抗原などの内在性抗原は、多機能性のprotease複合体であるproteasomeを構成する subunit X、Y、Zがそれぞれ免疫型subunitといわれるLMP7、LMP2、MECL1に転換する事により、抗原プロセシングがより促進され、抗原提示経路へと進み細胞性免疫の始動となる。今回、我々は腎細胞癌における免疫型proteasome subunitの遺伝子発現と予後との関係について検討した。【対象と方法】腎細胞癌54例(stageI 5例、II 31例、III 8例、IV 10例)の手術から得た癌部凍結組織からtotal RNAを抽出し、subunit LMP7、LMP2、MECL1についてRT-PCRを施行した。Image analyzerを用いて発現の強度を半定量化し、それぞれ2群（low,high）に分類し、この結果と予後との関連を検討した。【結果】免疫型proteasome subunitのlow expression groupでは有意に予後不良であった（LMP7：p<0.001、LMP2： p<0.0001、MECL1： p<0.01）。low stage症例 (I・II)36例の中でもLMP7、LMP2のlow expression groupでは有意に予後不良であった（LMP7、LMP2： p<0.05）。【結語】腎細胞癌において免疫型proteasome subunitの発現の弱い癌細胞では、免疫による排除機構から回避する事で進展を続け、予後を悪化させる可能性が示唆された。