ABSTRACT 1947(P8-3)
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CD25+T細胞除去による抗腫瘍免疫応答の誘導:清水 淳、坂口志文(都老人研・免疫病理)

Induction of anti-tumor immune responses by eliminating CD25+ T cells : Jun SHIMIZU, Shimon SAKAGUCHI (Dept. of Immunopathol., Tokyo Metro. Inst. of Gerontol.)

【目的】正常マウス末梢CD4+ T細胞の5-10%、CD8+ T細胞の1%以下がCD25を発現している。CD25+ T細胞の一時的除去により、様々な自己免疫反応が誘導されると同時に、外来抗原に対する応答も増強される。今回、CD25+ T細胞の除去が自家腫瘍に対する免疫応答をも増強するか検討した。
【結果】1) BALB/cマウス全脾細胞或いはCD25+ T細胞除去画分 ( CD25-T細胞 ) を移入したBALB/c nu/nu マウスにRL♂1 ( BALB/c 由来放射線白血病細胞 ) を接種したところ、前者においては全例腫瘍増殖が認められたのに対し、後者では腫瘍が拒絶された。またCD25-T細胞と共にCD4+ T細胞(CD25+ T細胞を含む) を移入した場合、腫瘍は拒絶されなかった。2) CD25-T細胞をRL♂1 非存在下 in vitro にて培養したところ、T細胞の分裂増殖、IL-2 の産生、様々な腫瘍細胞を傷害し得るキラー細胞の誘導が認められた。これらの現象は、BALB/cマウスのみならず他の系統マウス (C57BL/6, C3H, DBA/2 ) でも認められた。また上記 in vitro 培養時にCD4+ CD25+ T細胞を添加すると、キラー細胞は誘導されなかった。
【考察】CD25+ T細胞による免疫寛容維持機構を操作し、有効な腫瘍免疫応答を誘導し得ることを示した。