ABSTRACT 1949(P8-3)
マウス4-1BB ligand遺伝子導入によるT細胞機能発現増強と抗腫瘍効果の検討
茂木世紀1,2, 榎本昭二2, 香坂隆夫1, 東みゆき1(1小児医療研究セ 免疫、2東京医歯大 歯 2口外)
Analysis of T cell effector function and anti-tumor immunity by gene-transduction with murine 4-1BB ligand :Seiki MOGI1,2, Syoji ENOMOTO2,Takao KOUSAKA1,Miyuki AZUMA1
(1Dept.of Immunol. National Children's Medical Research Center, 2Dept.of Oral&Maxillo-facial Surg.Facul.Dentis. Tokyo Medi.and Dent.Univ.)
[目的] TNFファミリーに属する4-1BB ligand (L)は、T細胞の4-1BBと結合し, CD28-B7とは異なるcostimulatoryシグナルを伝達することが報告されている。また、4-1BBを介したシグナルは特にCD8T細胞に対しより強力に作用することが報告され、腫瘍免疫への応用が期待されるcostimulatory分子である。我々はCD80遺伝子導入による抗腫瘍効果を検討してきたが、今回は4-1BBL遺伝子導入腫瘍細胞を用いて、そのin vitroおよびin vivoにおけるT細胞機能発現および抗腫瘍効果についてB7分子と比較検討した。[方法]マウスマストサイトーマ株であるP815細胞にマウス4-1BBL遺伝子を導入し、4-1BBLを高発現している4-1BBL/P815および4-1BBL/CD86/P815のトランスフェクタントを作製した。様々な濃度の抗CD3抗体存在下におけるCD4あるいはCD8T細胞の増殖、サイトカイン産生、および細胞障害活性についてCD86-P815と比較検討すると共にその相加効果について検討した。[結果] CD4およびCD8陰性T細胞分画は共に4-1BBL-P815刺激により抗CD3抗体によるre-directed cytotoxicityおよび細胞増殖反応を示した。CD4陰性分画(CD8)においては低濃度のCD3抗体存在下において早期における増殖反応と顕著なIFNγ産生を示した。CD86/P815と4-1BBL/P815間において明らかな機能発現の違いは認められないが低濃度CD3刺激下において4-1BBLとCD86刺激の相加効果が認められた。CD80を高発現しているが同系マウスへの移植において拒絶されないマウス扁平上皮癌NRS1に4-1BBL遺伝子を導入した抗腫瘍効果についても現在検討中であり併せて報告する。