ABSTRACT 1950(P8-3)
 ポスターセッション一覧 トップ 


ヒト初代自家癌細胞に対する末梢血リンパ球(PBL)由来 CTL の誘導:原 栄一1,坂本裕彦2,橋口陽二郎2,林田みどり3,西條 薫3,大野忠夫3,(1埼玉がんセ・研 ,2病・腹外,3理研・細胞開発銀行 )

Induction of CTL from peripheral blood lymphocytes against human primary autologous tumor cells : Eiichi HARA1, Hirohiko SAKAMOTO2, Yojiro HASHIGUCHI2, Midori HAYASHIDA3, Kaoru SAIJO3, and Tadao OHNO3 ( 1Saitama Cancer Center Res. Inst., 2Dept. of Surg., Hospital , 3RIKEN Cell Bank, The Inst. Phys. Chem. Res.(RIKEN) )

(目的)ヒト自家癌細胞とCTLの樹立は,新たな腫瘍関連抗原の同定のため重要である。昨年の本総会で,肝転移した大腸癌細胞の樹立について報告した。今回,大腸癌細胞に対するCTLの誘導を自己末梢血リンパ球から試みた。(方法)2種類の培地(100 U/ml IL-2を含むTIL培地とサイトカイン カクテル IL-1β,IL-2, IL-4, IL-6をそれぞれ,167,67,67,134 U/mlを含むRHAMα培地)で自己末梢血リンパ球からMixed Lymphocyte Tumor Reaction (MLTR) を行い,2週間後に再刺激して CTL 誘導を試みた。(結果と考察)1)肝転移した大腸癌細胞は, 細胞表面にClass I を強く発現していた。2)2週間のMLTRにおいてTIL培地では65%のCD3+(CD4+/CD8+=2)と20%CD56+細胞からなり80%の細胞障害活性を示した。サイトカイン カクテル培地では,15%のCD3+(CD4+/CD8+=1)と70%CD56+細胞で20%の細胞障害活性であった。3)再刺激後1週間の培養で共に70-80%のCD3+細胞(CD4+>CD8+)であった。サイトカイン カクテル培地で培養した方が強い細胞障害活性を示した。現在,CTLを株化し,新たな腫瘍関連抗原の同定をめざしている。