ABSTRACT 1953(P8-3)
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朝鮮人参成分の抗腫瘍効果の検討(第 7 報)朝鮮人参果実サポニンのCD4 およびCD8 陽性T細胞に対する影響:Han Sun CHANG,西 康男,内山利満(東邦大・医・薬理)

Studies on antitumor activity of Panax ginseng(7) Effects of CD4+ and CD8+ T-cell by ginseng fruit saponins (PG-FS):Han Sun CHANG, Michio NISHI, Toshimitsu UCHIYAMA(Dep. Pharmacol., Toho Univ. Sch. Med.)

[目的]我々は,これまで朝鮮人参(Panax ginseng C. A. Meyer: PG)の地下部根部および地上部果実サポニン成分(PG-FS)の抗腫瘍効果について本学会に報告してきた.今回はPG-FSとginseng red saponins(PG-RS)について担癌マウスにおける CD4およびCD8陽性T細胞の影響について検討した.
[方法]ICRマウス(7週齡,雌)にPG-FS あるいはPG-RS 50mg/kgを7日間経口的に前投与した.投与終了後Sarcoma-180 (S-180)1×106個を腹腔内に移植し,その5および10 日後に末梢血中のCD4,CD8陽性T細胞を測定した.
[結果]末梢血中のCD8陽性T細胞数は腫瘍細胞および人参サポニン投与の影響をほとんど受けなかった.一方CD4陽性T細胞数は正常対照群の43.5に対し腫瘍細胞投与5日後で38.4,10日後では 32.5 といずれも減少がみられた.これに対し PG-FSおよびPG-RS投与群ではそれぞれ5日後で47.4,46.3,10日後で39.3(p=0.056),34.0とCD4陽性T細胞の回復傾向がみられた. また,正常対照群の末梢血中のCD4/CD8比が4.4に対し,腫瘍細胞投与後5日後で3.4,10日後で2.7 と低下がみられた.これに対し,PG-FS およびPG-RS投与群ではそれぞれ5日後で4.1,4.0,10日後で3.4,3.1と低下の抑制がみられた.
[結語]以上の結果から,腫瘍細胞投与後にみられるCD4/CD8比の低下はCD4 陽性T細胞数の減少に起因し,人参果実サポニンはその減少を抑制する効果があることが示唆された.