ABSTRACT 1960(P8-4)
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サイトカイン産生CD8T細胞(Tc1,Tc2)およびCD4T細胞(Th1,Th2)におけるキラー活性発現機構の解析:大見 寧1.2,岩壁賢治3,笹倉裕一2,垣生園子3,西村孝司1, 3(1東海大・医・遺伝子工学、2神奈川歯大・口外1、3東海大・医・免疫)

Yasushi OHMI1,2, Kenji IWAKABE1,3, Yuichi SASAKURA2, Sonoko HABU1, Takashi NISHIMURA1 (1Dept. Genetic Engineering, Tokai Univ. Sch. Med., 21st Dept. Oral Surgery, Kanagawa Dental College,3Dept. Immunol., Tokai Univ. Sch. Med.)

[目的] T細胞はCD4+Th細胞とCD8+Tc細胞に大別されが最近、ThはTh1およびTh2に、また、TcはTc1およびTc2にさらに分類される。しかし、それらの機能には不明な点が多く残されている。本研究においは、TCRトランスジェニックマウスからTh1,Th2、およびTc1,Tc2を誘導して、それらのキラー活性発現調節機構について検討し、サイトカイン産生ThおよびTc細胞の癌免疫における意義について追求した。
[方法および結果] Th1,Th2およびTc1,Tc2細胞はOVA-TCRTgまたは2C-TCRTgマウスより誘導した。Th1とTc1はIL-12+anti-IL-4、Th2とTc2はIL-4+anti-IL-12の条件下で誘導した。パーフォリン依存的抗原特異的キラー活性、Fasトランスフェクタントに対するFas/FasL依存的キラー活性、およびTNF-α依存的なBsAb媒介キラー活性について、それぞれの細胞群について検討した。その結果、Th1細胞はすべての反応においてIFN-γ産生型のTh1細胞が、IL-4産生を示すTh2に比べて強い活性を示した。しかし、Tc1, Tc2細胞は、Fas依存的キリングに若干の差が見られたが、パーフォリン依存的キリングにおいては同等のcytotoxicityを示した。以上の結果は癌免疫療法においてはTh1,Tc1を主体としたT1免疫が重要であることをさらに示唆する。