ABSTRACT 1962(P8-4)
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U5A2-13陽性T細胞の肝転移における役割: 篠原浩一1,2, 丸岡秀範1,2, 五十嵐美1, 宮田道夫2, 若杉尋1 (国立がんセ・1研・薬効, 2自治医大・大宮医療セ・外)

Antimetastatic effect of U5A2-13+ T cells on experimental liver metastases in mice: Kouichi SHINOHARA1,2, Hidenori MARUOKA1,2, Yoshinori IKARASHI1, Hiro WAKASUGI1 (1Pharmacology Division, Natl. Cancer Ctr. Res. Inst., 2Dept. Surg., Omiya Med. Ctr., Jichi Med. Sch.)

【目的】マウスNK1.1+ T細胞はTCRとNK1.1抗原を同時に発現するT細胞亜群で,腫瘍免疫に重要な役割を果たしている.我々が樹立したU5A2-13抗体はNK1.1+ T細胞と類似した細胞群を認識する.このU5A2-13抗体をin vivo投与するとU5A2-13+ T細胞はほとんど消失するが, NK1.1+ T細胞は残存することを昨年の本学会で報告した.今回我々は,肝転移モデルにおいてU5A2-13+ T細胞の果たす役割を検討した.
【方法】C57BL/6の尾静脈よりU5A2-13抗体500μgを投与し,翌日にB16メラノーマ細胞を脾臓内に注射,脾摘を行った.2週後に肝転移数をカウントした.またU5A2-13抗体500μg投与後の肝単核球の表現型をFACSCaliburで解析した.
【結果および考察】U5A2-13抗体500μg投与群では,コントロール群に比し有意に肝転移数が増加した.U5A2-13抗体投与によりU5A2-13- NK1.1+細胞の比率が増加した.U5A2-13+ T細胞が肝転移の成立に関与していることが示唆され,さらに解析を進める予定である.