ABSTRACT 1963(P8-4)
マンネンタケ (霊芝) 菌糸体より得られる多糖蛋白質画分 (MTP2) によるマウス脾細胞のサイトカイン産生と細胞傷害性の増強:中川育也1, 日比野康英2, 大橋康宏3, 菅野延彦1 (1富山医薬大・薬, 2富山医薬大・遺伝子, 3野田食菌工業・飯塚研)
Augmentations of cytokine productions and cytotoxicity of mouse splenic cells by a heteroglycan-protein fraction (MTP2) from a culture medium of Ganoderma lucidum mycelia: Ikuya NAKAGAWA1, Yasuhide HIBINO2, Yasuhiro OHASHI3, Nobuhiko SUGANO1 (1Fac. Pharm. Sci., Toyama Med. & Pharm. Univ., 2Molecular Genetics Res. Ctr., Toyama Med. & Pharm. Univ., 3Iizuka Inst. Noda Shokkin-Kogyo Co.)
[目的]マンネンタケ菌糸体培養基より得られる多糖蛋白質画分 (MTP2) によるマウス免疫細胞の活性化について調査・検討した。[実験](1) 上記菌糸体が繁茂する培養基を破砕・熱水抽出し,この抽出液の凍結乾燥標品 (MTE) を得た。(2) MTE のアルコール不溶画分 (MTP) をゲル濾過し MTP1 と MTP2 の 2 画分を得た。(3) MTP2 によるマウス脾細胞 (SP) からのサイトカイン産生の誘導を調査した。(4) MTP2 存在下で SP と L929 細胞を混合培養し,48 時間後の細胞傷害性について調査した。また,MTP2 を投与したマウスについても同様にして調査した。[結果](1) MTP2 存在下で,SP からの IL-1beta, IL-2, IL-12, IFN-gamma 及び NO の産生誘導が認められた。(2) SP の L929 細胞に対する傷害性が MTP2 存在下で増強され,また,MTP2 を投与したマウスより得られた SP による細胞傷害性も,対照と比較して,有意に増強された。[考察]MTP2 は免疫細胞からのサイトカイン及び NO の産生を促すことにより細胞傷害性を増強すること,そして,一連の細胞性免疫反応において単球/マクロファージの stimulator として作用すると考えられる。