ABSTRACT 1966(P8-4)
腫瘍特異的CTLの維持におけるcostimulationの役割:阿部 光一郎1,原田 守2,玉田 耕治1,李鉄麗1,尾上泰弘1,多田斉1,立神勝則1,野本 亀久雄1(九大・生医研・1免疫,2ウイルス)
The role of costimulation in the survival of tumor-specific CTLs: Koichiro ABE1, Mamoru Harada2, Koji TAMADA1, Tieli LI1, Yasuhiro ONOE1, Hitoshi TADA1, Katsunori TATSUGAMI1, Kikuo NOMOTO1 (Dept. 1Immunol. and 2Virol., Med. Inst. Bioreg., Kyushu Univ.)
【目的】我々は、担癌局所リンパ節細胞を腫瘍細胞とanti-CD28 mAbで刺激後、low-dose radiationを施行することにより腫瘍特異的CTLを効率的に選択できないかを検討してきた。今回、皮下接種する腫瘍としてB7 transfectantを用いparentalの腫瘍細胞とその担癌局所リンパ節細胞の反応性について比較を行ったので報告する。
【方法】BDF1マウスに、P815 mastocytomaまたはB7-P815 (B7-1 transfectant)を皮下接種し、10日後の局所リンパ節を採取しT細胞にenrichした。P815 ± anti-CD28mAbで再刺激後0〜4 Gyのradiationを施行し、IL-2存在下での増殖と増殖後の腫瘍特異的CTL活性とそのfrequencyを検討した。
【結果】 P815担癌局所リンパ節T細胞では、再刺激の際にanti-CD28 mAb を併用した群で、併用しない群に比べてbcl-xの発現増強が認められ、radiation後の腫瘍特異的CTL活性の増強およびCTL frequencyの上昇が見られた。一方、B7-P815担癌局所リンパ節T細胞では、 再刺激の際のanti-CD28 mAb 併用の有無に拘わらずbcl-xの発現が増強しており、radiation後のCTL活性、CTL frequencyの上昇が認められた。
【考察】costimulationを受けoptimalに活性化された腫瘍特異的 CTLがbcl-xの発現を増強し、radiationに対し抵抗性を得たことが示唆された。B7-P815担癌局所リンパ節中の腫瘍特異的CTL precursor は、既にin vivo で効率的にcostimulationを受けているため、再刺激の際にanti-CD28 mAbを併用しなくてもradiationに対し抵抗性を示した可能性が考えられた。