ABSTRACT 1968(P8-4)
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賦活化マクロファージの腫瘍増殖抑制効果についての検討:前川 博1、渡辺英章1、鳴海賢二1、岩沼佳見1、細田誠弥1、日野真子1、鎌野俊紀1、鶴丸昌彦1、長岡 功2、岩渕和久21順天堂大・医・外、2同 生化)

Activated macrophages suppress the tumor cell proliferation: Hiroshi MAEKAWA1,Hideaki WATANABE1,Kenji NARUMI1,YoshimiIWANUMA1, Seiya HOSODA1,Mako HINO1,Toshiki KAMANO1, Masahiko TSURUMARU1,Isao NAGAOKA2,Kazuhisa IWABUCHI21Dept.ofSurg.2Dept.ofBiochem.,Juntendo Univ.)

〔目的〕腹腔内マクロファージ(Mφ)の抗腫瘍メカニズムを検討するために、腫瘍細胞とMφを混合培養し、腫瘍細胞の増殖を観察した。またLPS、IL-2を加え、その影響を観察した。〔方法・結果〕ラット腹腔Mφ5×104個とAH-130細胞(AH)5×104個を72時間混合培養、FACSにて、AH数を算定したところ以下の知見を得た。
1)Mφの数を腫瘍細胞数の20分の1から20倍まで変化させてもAHの増殖性に有意の変化はなかった。2)LPSを添加するとAH増殖率は対照の約15%、IL-2添加では約37%であった。3)抗TNFα抗体の添加ではAH増殖率はLPS添加系で33%、IL-2添加系で72%であった。さらにNO阻害剤のL-NMMAも添加するとLPS添加系で約86%、IL-2添加系で100%であった。〔考察〕Mφは賦活化されると腫瘍増殖を抑制し、この作用はTNFα、NOが関与することが示唆された。