ABSTRACT 1971(P8-5)
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NK細胞活性化におけるB7/CD28ファミリーの役割;大久保祐司、勅使河原計介、丹羽太貫(京大・放生研セ・晩発効果)

The role of B7/CD28 family in activation of human natural killer cells., Yuji OKUBO, Keisuke TESHIGAWARA, Otsura NIWA. (Radiation Biology Center of Kyoto University)

(目的)NK細胞がT細胞の補助シグナルであるB7/CD28 ファミリーを用いていることが示唆されている。しかし、その実態は明らかではない。我々は以前より、ヒト正常NK細胞がB7分子により活性化されることを報告してきた。しかし、正常ヒトNK細胞は通常CD28を発現しておらず、他のB7カウンターレセプターを用いている可能性が示唆される。NK細胞で用いられているB7/CD28ファミリーを同定しNK細胞活性化機構を明らかにする。(方法)1.ヒトNK細胞を抗CD3, CD4, CD14, CD20抗体とマグネテイックビーズを用いて分離しB7分子を遺伝子導入したK562細胞(K562/B7細胞)に対する細胞傷害活性を検討した.2. 抗CD28抗体及び抗CTLA4抗体、抗B7抗体での細胞傷害活性阻止能を検討した。3.精製NK細胞のCD28及びCTLA4 mRNAの発現をRT-PCRを用いて解析した。
(結果及び考察)NK細胞の傷害活性は坑B7抗体のみで抑制され抗CD28及び抗CTLA4抗体では阻止されなかった。この結果は正常NK細胞がCD28とは異なったB7分子のエピトープを認識しているレセプターを用いていることを示唆している.また、 NK細胞ではRT-PCRでCTLA4mRNAの発現が認められたが,しかしflowcytometryによる解析では細胞表面上にその発現は認められなかった.興味あることにYT2C2.1細胞でもCTLA4mRNA の発現は認められたが,やはり細胞表面への発現は認められなかった. しかし、活性化によってこれらのNK細胞表面上にCTLA4の発現が誘導された。これらの結果はNK細胞ではT細胞とは異なるB7カウンターレセプターが用いられており、CTLA4はT細胞と同様にネガティブシグナルのレセプターとして働いている可能性を示唆している.