ABSTRACT 1972(P8-5)
LAK細胞活性化関連新規遺伝子LAK-4のクローニング:阿部康人,根津賢司,住田知樹,木籐克己,杉田敦郎,植田規史(愛媛大・1病)
cDNA Cloning of a LAK cell activation-related novel gene LAK-4 : Yasuhito ABE, Kenji NEZU, Tomoki SUMIDA, Katsumi KITOH, Atsuro SUGITA, Norifumi UEDA (The First Dept. of Pathology, Ehime Univ. Sch. of Med.)
【目的】養子免疫療法の抗腫瘍活性を上昇させる目的で、エフェクター細胞のひとつであるLAK細胞についてその活性化関連遺伝子をcDNAフラグメントを用いたPCRサブトラクション法を用いて検索し、新規遺伝子LAK-4をクローニングした。【材料および方法】活性化したLAK細胞と膜型リンフォトキシン(mLT)発現の消失した脱活性化LAK細胞よりmRNAを抽出しcDNAを合成した。Sau3AIにてフラグメントに分解した後プライマーセットを結合させ、PCRサブトラクション法にてフラグメント・ライブラリーを作製し、ランダムにシーケンスを行い、新規遺伝子LAK-4の情報を得た。CD3(-) 細胞cDNAライブラリーを用いてコロニーハイブリダイゼーション法にてLAK-4 cDNAのクローニングを行った後、cDNA全長シーケンスを行った。得られた情報をもとに抗原性が高い24AAポリペプチドを作製し家兎に免疫して抗体を得た。
【結果】LAK-4のcDNAは1405個の塩基対より成り、ORFから348アミノ酸の蛋白が形成されると予想された。この蛋白LAK-4pは膜貫通部を5カ所有する膜蛋白である可能性が考えられた。ホモロジー検索では、塩基レベルにおいても蛋白レベルにおいても既知の蛋白とのホモロジーは認められなかった。RT-PCR法にてmRNAの発現性を検討したところ、mLT強陽性LAK細胞で高く発現、陰性LAK細胞では微弱であった。正常組織では脳に高く発現しており、肺、脾、筋肉、精巣などで軽〜中等度発現していた。各種腫瘍細胞株ではCEMやRPMI1788などのリンパ球系腫瘍細胞に高く発現していた。
【結語】LAK細胞の活性化に関連している可能性のある新規遺伝子LAK-4のcDNAクローニングを行った。目下LAK-4pの機能について検討中である。