ABSTRACT 1981(P8-5)
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FasリガンドによるIL-1βのプロセシングと遊離の誘導:須田貴司1,2、岩倉洋一郎3、長田重一2,41金沢大、がん研、分子標的、2大阪バイオサイエンス研、一研、3東大、医科研、実験動物、4阪大、医、遺伝)

Fas ligand induces IL-1b processing and release. Takashi SUDA1,2, Youichirou IWAKURA3, and Sigekazu NAGATA2,4 (1Ctr. Mol. Target Drugs, Cancer Res. Inst., Kanazawa Univ., 21st. Dept., Osaka Bioscience Inst., 3Inst. for Med. Science, Univ. of Tokyo, 4Dept. of Genetics, Osaka Univ. Med. Sch.)

(目的)Fasリガンド (FasL)を発現する組織は免疫系の攻撃を免れると考えられている。逆に、FasLの異所性の発現は好中球の浸潤を惹起することが報告されている。本研究では、FasLがなぜ炎症を誘導するのかを検討した。
(方法及び結果)マウス膜型FasLは限定分解を受け不活化される。分解されない組換え膜型FasL (CD40LFL)のcDNAをMethA細胞に導入し、細胞株MAFLを得た。4x106個のMAFLを同系マウスの腹腔に移植したところ、著明な好中球の浸出を認めた。MAFL移植群でのみ、腹腔洗浄液中にELISAでIL-1βが検出された。thioglycolate誘導(4時間)腹腔浸出細胞(PEC)を組換え可溶型FasLで処理したところ、PECよりプロセシングを受けたIL-1βが放出された。そこで、IL-1α/β-KOマウスの腹腔にMAFLを投与したところ、野生型マウスに比べ好中球の浸潤は著明に減少していた。以上より、FasLはIL-1βの活性型への転換と放出を誘導し、炎症を引き起こしていることが明らかになった。(大阪バイオサイエンス研、実験助手の三輪桂子さん、IL-1α/β-KOマウスを供与下さった東大、医科研、実験動物の浅野雅秀博士、宝来玲子博士に感謝いたします。)