ABSTRACT 1983(P8-5)
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GVHDにおけるFas ligandとサイトカイン遺伝子の発現:小泉民雄1, 2、ダスヒランモイ1、井本しおん2、村山徹2、中川俊太郎2、西村隆一郎1、河野通雄11兵庫成人セ・臨研、2兵庫成人セ・血内)

Expression of Fas ligand and cytokine genes in GVHD patients. Tamio KOIZUMI1, 2, Hiranmoy DAS1, Shion IMOTO2, Tohru MURAYAMA2, Toshitaro NAKAGAWA2, Ryuichiro NISHIMURA1, Michio KOHNO1, 2 (1Hyogo Inst. Clin. Research, 2Hematology /Oncology Div., Dept. Med., Hyogo Medical Center for Adults)

(目的)BMTの重大な合併症であるGVHDの病態形成におけるサイトカイン、Fas/FasL系を介した細胞障害の関与について臨床症例で検討した。(方法)BMT及びDLT後の患者血清中の可溶性Fas ligand(sFasL)をELISAで、 末梢血単核球中のサイトカイン、FasL mRNAの発現をRT-PCRにて経時的に測定した。(結果)明らかな肝障害を呈した3症例ではビリルビン上昇に先立って血清中のsFasLの上昇が認められた。DLT後GVHDを認めた3症例ではいずれも単核球中のFasL mRNAの発現が増加していた。これらのDLT治療患者単核球ではTH1サイトカインであるIL-2 およびIFN-γ遺伝子の明らかな発現増加を認めた。特にIL-2の変動は臨床経過とよく相関した。(考察)ヒトGVHDにおいてもマウスモデルと同様、細胞障害性TおよびNK細胞の活性化とそれらにおけるFasL産生の亢進が病態に関与していると考えられる。