ABSTRACT 1985(P8-6)
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神経膠芽腫患者末梢血由来γ-δT cell のheat shockによる自己腫瘍傷害活性の上昇:鈴木洋一,片倉隆一,吉本高志,藤宮芳章(宮城がんセ・脳外・免疫,3東北大・医・脳外)

Elevated killing activity of γ-δT cells derived from glioblastoma patient against heat shock-treated autologous tumor : Youichi SUZUKI1, Ryuichi KATAKURA1, Takashi Yoshimoto3, Yoshiaki FUJIMIYA2 ( 1Dept. of Neurosurg., 2Dept. of Immunology, Miyagi Cancer Center, 3Dept. of Neurosurg., Tohoku Univ. )

〔目的〕MHC非拘束性の傷害活性を持つことが知られているγ-δT cellは、未だその認識機構のすべては解明されていない。その認識機構に関わる分子の一つとしてheat shock protein familyが挙げられている。本研究では、特にこれら熱刺激の際に発現する遺伝子産物とγ-δT cellの活性の上昇との関わりを検討する。〔材料・方法〕20歳女性神経膠芽腫術後の患者末梢血から、Ficoll-paqueにより単核球を分離後、固相化した抗CD3抗体上でIL-2(750units/ml)をRPMI1640内に加え培養した。増殖した単核球からDynabeadsにより、CD16+,CD4+,CD8+, TCRalpha-beta+,を除きγ-δT cell (>98%)を得、これをeffectorとした。一方同患者腫瘍から樹立した細胞株をtargetとして、1)37℃ 2)42.9℃の温度下で24時間培養し、これらに対してクロミウム遊離法により活性を測定し、Lytic units (30%specific release)にて検討した。〔結果〕Lytic unitsは4時間アッセイにおいては、1)93 2) 320、20時間アッセイでは、1) 289, 2) 1298と共に42.9℃にて有意に(p<0.05)傷害活性が上昇した。〔結論〕γ-δT cellは自己腫瘍に対する傷害機構において、熱刺激によって誘導される遺伝子群のいずれかが活性機構に関与していることが示唆された。今後分子生物学的に解明したい。