ABSTRACT 1987(P8-6)
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肺癌患者における末梢血単球、胸腔マクロファージからの樹状細胞誘導に関する検討:鈴記好博、楊河宏章、竹内栄治、Prahlad Parajuli、埴淵昌毅、曽根三郎(徳島大・医・第三内科)

Analysis of dendritic cell differrentiation from blood monocytes and pleural macrophages in cancer patients: Yoshihiro SUZUKI, Hiroaki YANAGAWA, Eiji TAKEUCHI, Prahlad PARAJULI, Masaki HANIBUCHI, Saburo SONE (Third. Dept. Intern. Med., Tokushima Univ.)

【目的】肺癌患者において高い抗原提示能をもつ樹状細胞の誘導が可能かどうか検討した。【方法】無治療の原発性肺癌患者の末梢血、および悪性胸水からマグネテイックビーズ法または付着法を用いて単球、マクロファージを分離し、IL-4 (小野薬品)、GM-CSF (キリンビール)、TNF-α(林原研)とともにin vitro条件で培養した。樹状細胞の同定は形態とCD1a抗体等をもちいたFACS法によった。【結果】(1)健常人末梢血単球を用いた検討で、IL-4 100 U/ml、GM-CSF 500 U/mlにて7〜8日間培養が樹状細胞誘導の至適条件であった。(2)同様の条件にて肺癌患者末梢血単球より健常人と同様の樹状細胞が誘導可能であった。(3)IL-4,GM-CSFにTNF-αを加え3〜4日間培養することにより悪性胸水中のマクロファージからの樹状細胞誘導も可能であった。 【考察】肺癌患者、特に進展局所における前駆細胞から樹状細胞を誘導し、特異的免疫療法へ活用できる可能性が示唆された。