ポスターセッション

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乳癌症例におけるTumor-infiltrating lymphocytes (TILs) 評価の意義：小川佳成¹,澤田鉄二¹,仲田文造¹,平川弘聖¹,加藤保之²,吉川和彦³,曽和融生⁴（¹大阪市大・医・１外,²大阪市大・医・老年研,³住友病院・外,⁴大阪市立総合医療セ）

Evaluation of tumor-infiltrating lympocytes (TILs) as the indicator of host immune surveillance system in breast cancer: Yoshinari OGAWA¹, Tetsuji SAWADA¹, Bunzo NAKATA¹, Kosei HIRAKAWA¹, Yasuyuki KATO², Kazuhiko YOSHIKAWA³ and Michio SOWA⁴ (¹1st Dept. of Surg. Osaka City Univ. Med. Sch., ²Inst. of Geriat. and Med. Sci. Osaka City Univ. Med. Sch., ³Dept. of Surg. Sumitomo Hosp., ⁴Osaka City General Med. Ctr.)

【目的】癌の増殖，伸展には宿主免疫機構に対する免疫寛容の獲得が重要とされている。今回，宿主癌免疫機能の指標としてTILsに着目し，乳癌症例におけるTILsと臨床病理学的因子，ICAM-1発現，再発予後との関連を検討した。【対象，方法】乳癌手術症例274例（観察期間中央値110か月）。TILsは原発巣H-E染色標本をBlack法に準じて評価し，４段階に分類した。ICAM-1発現は原発巣切片に対する免疫組織染色にて評価した。【結果】ER陰性例，PgR陰性例，乳腺外波及例，核異型，組織異型の高度な例，ICAM-1発現例にてTILsが強く（p<0.03, 0.09, 0.01, 0.002, 0.02, 0.02），組織型では硬癌，粘液癌にてTILsが弱かった（p<0.03）。年齢，閉経，T，n，M，ly，v因子とTILsの関連は認められなかった。予後との関連では，TILs単独による予後の差は認められなかったが，TILs陰性かつICAM-1陰性群は他の群に比べ，健存率，生存率ともに不良であった（p<0.004, 0.02）。【結語】異型度の強いと考えられる癌腫にてTILsは増強されるものの，TILs単独では，宿主癌免疫機構による乳癌の伸展，予後に対する影響の評価は困難であることが示唆された。