ABSTRACT 1992(P8-6)
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マウス新規セリン/スレオニンキナーゼmSTK2の発現および機能解析:林 亨治,五十嵐英哉,阪口薫雄(熊本大・医・免疫)

Expression and functional analysis of a novel serine/threonine kinase, mSTK2: Kouji HAYASHI, Hideya IGARASHI, Nobuo SAKAGUCHI ( Dept. Immunol. Kumamoto Univ. Sch. Med.)

我々は昨年の本学会でヒトセリン/スレオニンキナーゼSTK2のホモローグであるマウスセリン/スレオニンキナーゼmSTK2の遺伝子クローニングについて報告した。今回、我々はタギング可能な真核細胞の発現ベクターを用いてその分子の機能解析を試みた。mSTK2 cDNAをトランスフェクトしたNIH3T3のlysateから抗タグ抗体を用いて免疫沈降し、そのimmunocomplex kinase asseyを行なった結果mSTK2はそれ自身にリンの付加反応が起こることが示された。ホスホアミノ酸解析の結果スレオニン残基のリン酸化が認められた。またcasein, enolaseを基質とした解析により主にスレオニン残基をリン酸化するキナーゼであることが示され、いずれもスレオニン残基に強いリン酸化を認めた。mSTK2はNLS like motifを有するlong formと同部分を持たない2種のisoformがあることをRT-PCR法にて明らかにした。そのためこの2つの分子が実際核と細胞質に局在するかどうかを免疫染色法を用いて検討した。通常の培養条件下ではどちらとも細胞質内に存在することがわかった。現在NIH3T3トランスフェクタントに外的刺激を加え、細胞の生理的応答によりこれらの分子の局在及びキナーゼ活性にどのような変化を及ぼすかを検討している。