ABSTRACT 1994(P8-6)
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Korean red ginseng による chemoprevention の可能性について―Melatonin との比較検討−: 戸出健彦, 菊池義公, 平田純子, 喜多恒和, 中田英之,永田一郎 (防衛医大,産婦)

Possibility of chemoprevention by Korean red ginseng; a comparative studywith Melatonin: Takehiko TODE, Yoshihiro KIKUCHI, Junko HIRATA, Tsunekazu KITA, Hideyuki NAKATA, Ichiro NAGATA (Dept. of Obstet. & Gynecol. Natl. Defense Med. College)

[目的]Korean red ginseng(RG) はヒト卵巣癌移植ヌードマウスを用いた副腎由来androgen(DHEA) との比較検討で chemopreventive agent としての可能性を有することを示してきた。今回は chemoprevention の見地からも注目されている松果体由来のMelatonin(ML) との比較において RG のもつ chemopreventive agent の可能性を検討した。[方法]6 週齢雌ヌードマウス右脇腹皮下に平均 6x105個のヒト卵巣漿液性嚢胞腺癌由来細胞(HRA) を移植し、生着、増殖、及びヌードマウス脾細胞の NK 活性に与える影響について調べた。RG(200mg/kg),及び ML(200μg/kg, 1mg/kg) は HRA 移植 10日前から実験終了まで連日経口投与した。NK 活性は HRA 移植 3 週目に 51Cr-release assay 法で調べた。[結果]1) 対照群で全例に生着を認めた HRA 移植後 11 日目において、 RG 群(p<0.01)、及び ML 200μg/kg 群(p<0.05) ともに著明に HRA の生着を抑制した。2)移植後 3 週目に対照群と比較して、RG、及び ML はともに腫瘍の増殖を抑制したが RG 群(p<0.001)は ML 200μg/kg 群(p<0.01)、及び ML 1mg/kg 群(p<0.05)と比較して、より著明に腫瘍増殖を抑制した。3)RG はヌードマウス脾細胞の NK 活性を著明に増強した(p<0.05)。[結論]RG 及び ML は両者ともに抗腫瘍効果が認められたが、腫瘍増殖抑制作用、及び NK 活性増強作用は RG においてより著明であり、RG は chemopreventive agent として臨床的に有用であることが示唆された。