ABSTRACT 2035(P9-3)
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LynキナーゼはJak2をリン酸化しかつ活性化する:山下義博1, 宮里彰1,2, 大谷賢一1,3, 吉田浩司1,4, 小澤敬也1,2, 間野博行11自治医大・分子生物, 2自治医大・血液, 3,自治医大・循内, 4自治医大・大宮医療セ)

Lyn Kinase Phosphorylates and Activates Jak2 in Cells: Yoshihiro YAMASHITA1, Akira MIYAZATO1,2, Ken-ichi OHYA1,3, Koji YOSHIDA1,4, Keiya OZAWA1,2, Hiroyuki MANO1 (Dept. of 1Mol. Biol., 2Hematol., 3,Cardiol., 4Ohmiya Med. Center, Jichi Med. Sch.)

【目的】サイトカインによる細胞増殖機構においてJakキナーゼ群が重要な役割を果たしているが、Jakの活性化メカニズムは必ずしも明らかではない。我々は他のファミリーのチロシンキナーゼがJak2をリン酸化依存性に活性化する可能性を以下のように検討した。
【方法・結果】(1) ATP結合能を欠くJak2KEミュータントをTec, Lyn, Sykらと共に293細胞に導入したところ、LynによってJak2のチロシンリン酸化が強く誘導されることが判った。(2) このin vivoにおけるLynによるリン酸化部位を検討したところJak2キナーゼドメイン内のactivation loopに存在するTyr-1007とTyr-1008であった。(3) Jak2キナーゼ活性はLynの共発現によって上昇した。(4) Tyr-1007及びTyr-1008を含む合成ペプチドをLynキナーゼはin vitroにおいてリン酸化可能であり、またこのリン酸化はTyr→Phe置換によって消失した。
【結論】細胞内でLynキナーゼはJak2のactivation loop内チロシン残基を直接リン酸化することにより、Jak2のキナーゼ活性を上昇すると考えられた。