ABSTRACT 2054(P9-4)
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エストロゲンレセプター(ERs)の転写促進能における転写共役因子群の機能:渡辺理子1、2、柳沢純、加藤茂明(東大・分生研、東大・医・産婦)

Function of co-factors in transactivation of ERs : Michiko WATANABE1, 2, Junn YANAGISAWA, Shigeaki KATO (Inst. of Mol. and Cell. Bio., Univ. of Tokyo, Dept. of Obstet. and Gyn. of med., Univ. of Tokyo)

【目的】エストロゲンは生殖器、骨などに幅広く作用する脂溶性ホルモンであり、生殖器に生じる癌の増殖にも深く関与することが知られている。その生理作用は、核内レセプターであるエストロゲンレセプター(ER)を介した標的遺伝子の転写制御により発揮される。近年、ERαのアイソフォームとしてERβが同定された。核内レセプターの転写調節機構において、転写共役因子が必要であり、これが核内レセプターと基本転写装置群を仲介し、リガンド依存的な転写調節を行う。ERには、リガンド非依存的な転写活性化領域AF-1と、リガンド依存的な転写活性化領域AF-2が存在し、これまでに、AF-2に相互作用する転写共役因子としてSRC-1、TIF2、AIB1が知られている。また、各転写共役因子がERの転写を活性化することで、乳癌細胞のエストロゲン感受性に影響を及ぼすことが予測される。本研究では、SRC-1、TIF2、AIB1のERαβの転写促進能に及ぼす影響を比較検討した。
【方法】各転写共役因子とERのAF-1、AF-2との結合をTwo-hybrid systemを用いて、ERα、βの転写活性に及ぼす影響をCAT assayを用いて検討した。
【結果】SRC-1、TIF2、AIB1が、ERα、βのAF-2の転写活性を促進することが示された。各転写共役因子を乳癌細胞MCF-7に恒常的に発現させ、エストロゲン依存的細胞増殖に及ぼす影響を検討しているところである。