ABSTRACT 2064(P9-4)
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マウスアンドロゲン依存性細胞より派生したアンドロゲン非依存性 sublineに対するbcl-2 antisense oligonucleotideの増殖抑制効果: 大東貴志,上野宗久,中野間隆,出口修宏(埼玉医大・腎臓病セ・泌)

bcl-2 antisense oligonucleotide inhibits cell growth of androgen-insensitive subline derived from mouse androgen-dependent carcinoma cells: Takashi OHIGASHI, Munehisa UENO, Takashi NAKANOMA, Nobuhiro DEGUCHI (Dept. of Urol., Kidney Center, Saitama Med. Sch.)

ホルモン依存性癌の治療において、ホルモン非依存性の獲得が問題となっている。本研究ではアンドロゲン依存性細胞より派生した非依存性株に対するbcl-2 antisense oligonucleoideの影響について検討した。マウスアンドロゲン依存性細胞SC2Gを無血清培地、testosterone非添加下で培養することによりアンドロゲン非依存性subline (SCAI)を得た。マウスbcl-2に対するantisense oligonucleotideは翻訳開始部位を含む部分より20Merの長さのものを作成した。SCAI細胞は、testosterone濃度非依存性に良好な発育を示した。SC2Gはtestosterone欠乏によりアポトーシスが誘導されたが、SCAIでは誘導が認められなかった。Western blottingによる解析ではSCAI におけるBcl-2蛋白の発現が、SC2Gに比し増強していた。bcl-2 antisenseを培地中に加え96時間培養したところ、senseを加えた群と比較しSCAIの増殖が有意に抑制された。以上の結果よりアンドロゲン非依存性の獲得にbcl-2の強発現が関っていることが示唆され、これに対するantisenseを用いた治療の可能性が示された。