ABSTRACT 2068(P9-4)
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悪性腫瘍随伴性高カルシウム血症モデルにおけるヒト型化抗PTHrP抗体の諸症状改善効果:小沼悦郎、作本裕史、石井公恵、恒成利明、大泉厳雄、薮田尚弘、佐藤功、海宝晋一(中外製薬・富士御殿場研究所)

Effects of performance status of humanized anti-PTHrP antibody in HHM nude rats:Etsuro ONUMA, Hirofumi SAKUMOTO, Kimie ISHII, Toshiaki TSUNENARI, Iwao OHIZUMI, Naohiro YABUTA, Koh SATO, Shin-ichi KAIHO (Fuji Gotemba Res. Labs., Chugai Pharm. Co., Ltd.)

【目的】悪性腫瘍随伴性高Ca血症(HHM)は、腫瘍が産生するPTHrPが原因物質であることが知られている。我々はHHMモデルにおけるヒト型化抗PTHrP抗体(ヒト型化抗体)の諸症状改善効果について検討した。【方法】ヌードラットにヒト肺大細胞癌株LC-6を皮下移植してHHMモデルを作製した。このモデルにヒト型化抗体(3.0mg/kg,iv,単回)及びalendronate (ALN,5.0mg/kg,iv,単回)を投与し、諸症状(体重、摂食量、自発運動量など)及び血漿生化学値に対する影響について検討した。【結果】本HHMモデルは体重減少を伴う高Ca血症、摂食量や自発運動量の低下が認められた。ヒト型化抗体投与群は投与翌日より、血中イオン化Ca(iCa)濃度が低下すると共に体重及び摂食量の増加が認められた。体重増加は2週間以上まで認められた。さらに自発運動量の増加も認められた。また、HHMモデルで低下している血中リン濃度を改善する効果のあることが判明した。ALN投与群でも体重及び摂食量の増加は認められたが、体重の増加に関してはヒト型化抗体の約1/3程度であった。以上の結果より、ヒト型化抗体はHHMモデルにおいて血中iCa濃度の低下作用を示すと共に体重、摂食量、自発運動量などの諸症状の改善効果を示した。【結論】ヒト型化抗PTHrP抗体のHHM治療薬としての可能性が示唆された。