ABSTRACT 2069(P9-4)
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悪性腫瘍随伴性高カルシウム血症モデルにおけるヒト型化抗PTHrP抗体およびビスホスホネート製剤の薬効比較:石井公恵、作本裕史、恒成利明、大泉厳雄、薮田尚弘、佐藤功、小沼悦郎、海宝晋一(中外製薬・富士御殿場研究所)

Effects of humanized anti-PTHrP antibody on plasma calcium levels in HHM nude rats, comparison with bisphosphonate : Kimie ISHII, Hirofumi SAKUMOTO, Toshiaki TSUNENARI, Iwao OHIZUMI, Naohiro YABUTA, Koh SATO, Etsuro ONUMA, Shin-ichi KAIHO (Fuji Gotemba Res. Labs., Chugai Pharm. Co., Ltd.)

【目的】悪性腫瘍随伴性高カルシウム血症(HHM)は、腫瘍が産生するPTHrPが原因物質であることが知られている。我々はHHMモデルを用いヒト型化抗PTHrP抗体とビスホスホネート製剤の血中イオン化カルシウム(血中iCa)濃度改善作用について比較検討した。【方法】ヌードラットにヒト肺大細胞癌株 LC-6を皮下移植してHHMモデルを作製した。このモデルにヒト型化抗PTHrP抗体(0.11〜3.0mg/kg,iv,単回)およびalendronate (ALN, 0.57〜5.0mg/kg, iv,単回)を投与し、経時的に血中iCa濃度を測定した。【結果】ヒト型化抗PTHrP抗体投与により投与後数時間で既に血中iCa低下作用が認められ、その後、正常レベル付近まで改善した。その効果は用量依存的であり、3mg/kg投与では10日間以上血中iCa濃度の改善作用が持続した。一方、ALN 5.0mg/kg投与では血中iCa濃度をある程度低下させたが、投与7日目で再び上昇した。またALN投与でまれに血中iCa濃度が正常値レベル以下に低下した個体が見受けられたが、ヒト型化抗PTHrP抗体では見られなかった。【結論】以上のHHMモデルを用いた検討より、ヒト型化抗PTHrP抗体は速効的かつ持続的な血中カルシウム改善作用を有することが示され、ビスホスホネート製剤に比してより有用なHHM治療薬となり得ることが示唆された。