ABSTRACT 2071(P9-4)
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マウスシオノギ乳癌におけるmouse mammary tumor virusの関与:久力 権1,田中 亨1,吉田浩己2,斎藤 建1,深山正久11自治医大・病理,2鹿児島大・医・第一病理)

A role of mouse mammary tumor virus in the proliferation of Shionogi carcinoma 3 cells :Ken KURIKI1,Akira TANAKA1,Hiroki YOSHIDA2,Ken SAITO1,Masashi FUKAYAMA1(1Dept of pathol.,Jichi Med. Sch.,2First dept of pathol.,Fac. of Med. Kagoshima Univ. )

【目的】マウスシオノギ乳癌細胞株SC-3はFGF8を介したアンドロゲン依存性増殖機構が証明されており、性ホルモンと癌増殖を研究する上で有用なモデルになっている。このSC-3にはmouse mammary tumor virus (MMTV) が組み込まれているのが知られているが、その詳細な解析はなされていない。特にMMTV内のlong terminal repeats (LTR) は、ホルモン応答性のプロモーター活性を示しSC-3のアンドロゲン依存性増殖に関与している可能性が考えられる。そこでSC-3におけるMMTV遺伝子の解析およびMMTV-LTRの転写産物のホルモン応答性の解析を行った。【方法】サザンブロット法にてSC-3におけるMMTVの組込みをoriginal tumorやマウス正常組織と比較した。さらにSC-3ゲノムライブラリーより、MMTV-LTRを含む遺伝子を単離し、ウイルス配列の挿入パターンを検討した。 また、半定量的RT-PCR法によりMMTV-LTR転写産物の発現を種々の条件下で比較検討した。【結果】SC-3の、MMTV組込みパターンはoriginal tumorや正常組織と同一であった。ゲノムスクリーニングによる解析では部分的なMMTV配列が比較的多く、完全長のウイルスは1個あるいは2個と推定された。半定量的なRT-PCR法ではアンドロゲン刺激によるMMTV-LTRの発現量の増加は認められなかった。