ABSTRACT 2072(P9-4)
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悪性内分泌腫瘍における2型ソマトスタチンレセプターの発現: 木村伯子, Pilichowska Monika, 名倉宏(東北大・病理形態学)

Expression of somatostatin receptor 2 subtype in malignant endocrine tumors : Noriko KIMURA, Monika PILICHOWSKA, Hiroshi NAGURA (Dept. of Pathology, Tohoku University School of Medicine)

[目的]浸潤や転移を示す内分泌腫瘍は抗癌剤や放射線療法に抵抗性で、きわめて予後不良の腫瘍である。内分泌腫瘍にはしばしば抗ホルモン療法が有効であり、なかでもソマトスタチン(SS)は成長ホルモン産生腫瘍のみでなく、種々の内分泌および外分泌細胞の増殖抑制に関与し、そのanalogueが治療に用いられている。SSのレセプター(SSTR)にはすくなくとも5種類が知られており、それぞれSSTR1、2、3、4、5がある。このうち1と4、および2、3、5はそれぞれ共通のGroupにいれられており、後者には代表的なSSのanalogueであるoctreotideが有効である。今回わたしどもはSSTR2に対する特異抗体を用いて転移、浸潤を示した高度悪性内分泌腫瘍におけるレセプターの発現を検討した。[材料と方法]悪性カルチノイド(胸腺2、直腸2)膵臓内分泌腫瘍3、内分泌細胞癌(胃2、子宮1)甲状腺髄様癌3、悪性褐色細胞腫4および比較のために転移のない褐色細胞腫15例とカルチノイド15例にたいし、M.Schindler より供与された抗ヒトSSTR2抗体を用いて免疫染色を行った。[結果]いずれの腫瘍細胞もSSTR2陽性所見を呈した。しかし、褐色細胞腫はそれ以外の腫瘍に比べ陽性所見は弱かった。[結論]悪性内分泌腫瘍であってもSSTR2の発現がみられ、SS analogueの有用性が強く示唆された。