ABSTRACT 2079(P9-5)
NK細胞の増殖・活性化、及びIFN-γ産生におけるIL-18の役割:戸村道夫1、丸尾聖爾1、濱岡利之1、栗本雅司2、中西憲司3,、岡村春樹4、藤原大美1 (1阪大・医・バイオセ、 2林原生物化学研、兵庫医大・3,免疫・4細菌)
The role of IL-18 in the proliferation, activation and IFN-γ production on NK cells.: Michio TOMURA1,Seiji MARUO1,Toshiyuki HAMAOKA1 ,Masashi KURIMOTO2,Kenji NAKANISHI3,,Haruki OKAMURA4,Hiromi FUJIWARA1. (1Biomed.Res.Ctr.,Osaka Univ.Med.Scl., 2Hayashibara Biochem. Lab., 3,Dept. of Immunology and Medical Zoology, 4Dept. of Bacteriology, Hyogo College of Med.)
【目的】我々は、TCR刺激により活性化したT細胞におけるIL-12とIL-18のsynergyによるIFN-γ産生増強機構を報告してきたが、今回TCRを持たないNK細胞においては、いかなるIL-12とIL-18のsynergyが認められるかを検討した。
【方法】C57BL/6系マウスの脾臓細胞からCD4+、CD8+、sIg+及びclass II+細胞をnegative selectionにより除去し、CD4-CD8-細胞を得た。sortingはEPICS Eliteで行った。
【結果・考察】^ CD4-CD8-細胞をIL-12とIL-18で培養するとCD3-NK1.1-blastが誘導され、IL-2とIL-18ではCD3-NK1.1+blastが誘導された。 _ CD3-NK1.1-blastをIL-18とIL-2で培養するとCD3-NK1.1+blastが、逆にCD3-NK1.1+blastをIL-12とIL-18で培養するとCD3-NK1.1-blastが出現した。 ` sortingで得たrestingCD3-NK1.1-細胞をIL-18とIL-12あるいはIL-2で培養してもblastは出現しなかったが、restingCD3-NK1.1+細胞をIL-18とIL-12で培養するとCD3-NK1.1-blastが、IL-18とIL-2ではCD3-NK1.1+blastが誘導された。 a 両blastとも同程度の強力な細胞傷害活性を示し、IL-12とIL-18の共刺激により強力なIFN-γ産生が誘導された。以上の結果から、IL-18はIL-12又はIL-2との併用により、restingCD3-NK1.1+細胞の増殖反応を惹起し、活性化NK細胞を誘導すること、また、IL-18はIL-12とのsynergyにより強力なIFN-γ産生を誘導することが明らかとなった。従って、IL-18はNK細胞の機能発現において重要な役割を担っていることが示された。