ABSTRACT 2080(P9-5)
胃癌組織におけるnitric oxide synthase (NOS)およびサイトカインの発現:土井千春,野口芳一,岡本隆英,斎藤綾,福澤邦康,円谷彰,吉川貴己,今田敏夫,天野富薫,近藤治郎(横浜市大外科)
Expression of nitric oxide synthase isozymes and cytokaines in gastric cancer: Chiharu DOI, Yoshikazu NOGUCHI, Takahide OKAMOTO, Aya SAITO, Kuniyasu FUKUZAWA, Akira TSUBURAYA, Takaki YOSHIKAWA, Toshio IMADA, Tomishige AMANO, Jiro KONDO (First Dept. of Surg., Yokohama City Univ. School of Med.)
【目的】本研究は胃癌におけるNOSの発現とサイトカインの関与を明らかにすることを目的とした。【対象および方法】手術によって得られた胃癌組織(n=18)と正常胃粘膜(n=15)を対象とし、Western blot法を用いてendotherial NOS (eNOS)、inducible NOS (iNOS)蛋白の検出を行った。また、RT-PCR法を用いてTNF-αおよびIL-6の癌組織におけるmRNAの発現を検討した。【結果】eNOS蛋白は全例で検出され、癌組織18例中9例、正常組織15例中4例で著明に認められたが、両者間に差は認めなかった。 TNF-αとIL-6 mRNAは、癌組織のそれぞれ70%, 50%で認められたが、iNOS蛋白は、癌、正常粘膜のいずれにおいても検出されなかった。【まとめ】胃癌組織におけるTNF-αおよびIL-6の発現はiNOSの誘導には関与しておらず、癌組織でのeNOSの発現は正常粘膜との間に差を認めなかった。