ABSTRACT 2081(P9-5)
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GPIアンカーグリカン部を認識するIL-1betaはIL-1レセプターを介したシグナル伝達を調節する:
久下小百合,福島慶子,山下克子(佐々木研・生化)

Lectin-like interaction between IL-1beta and glycans of GPI anchor modulating the signal transduction of target cells by IL-1beta through the IL-1 receptors: Sayuri KUGE, Keiko FUKUSHIMA, Katsuko YAMASHITA (Dept. of Biochem., Sasaki Inst.)

我々はサイトカインのレクチン様活性に注目し、これまでにIL-1betaがGPIアンカーのグリカン部を認識することを明らかにしてきた(K. Fukushima et al., J. Biol. Chem., 272, 10579, 1997)。今回、IL-1レセプターを発現し、IL-1betaに高感度に反応するT-Cell由来D10.G4.1細胞を用いて、IL-1betaとGPI アンカーのグリカン部との結合がIL-1レセプターを介したシグナル伝達に与える影響を調べた。D10.G4.1細胞はIL-1betaで刺激するとチミジンの取り込みが著しく上昇する。この系にGPIアンカーグリカン部のMan6-PおよびNHAc-Et-P-6(Man)3を加えるとチミジンの取り込みが阻害されること見出した。この阻害はMan1-PあるいはGPI特異的PI-PLC処理したD10.G4.1細胞で見られなかった。これらの結果はIL-1betaのレクチン活性がIL-1betaによるレセプターを介したシグナル伝達の調節機構に関わっていることを示唆している。