ABSTRACT 2086(P9-5)
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Gliomaのinterferon 感受性に関する検討:田中 聡1、紙谷秀規1、堀 智勝1、長島 正21鳥取大・医・脳外、2帝京大・市原病・脳外)

Interferon-sensitivity on glioma: Satoshi TANAKA1, Hideki KAMITANI1, Tomokatsu HORI1, Tadashi NAGASHIMA2 (1Division of Neurosurg. Tottori Univ. Sch. of Med., 2Dept. of Neurosurg. Ichihara Hsp. Teikyo Univ.)

【目的】悪性gliomaの補助療法においては放射線・化学療法に加え、interferon-β(IFN-β)が広く用いられている。我々はgliomaに対するIFN-βの適応は、RT-PCRによるinterferon receptor (IFNR) mRNAの発現の有無により決定している。しかし、IFNRの発現は大部分のgliomaに認められる。今回、gliomaのIFN感受性の予測を目的に検討を行った。
【方法】U87MGヒトglioma細胞,これより樹立したIFN-β抵抗性のU87IR,臨床的にIFN-βが有効および無効であった症例群の凍結腫瘍組織に関して,IFNR,IL-1βconverting enzyme (ICE)およびInterferon regulatory factor(IRF)-1とIRF-2に競合するprimerを用いRT-PCRを行った。NIH Imageを用いてIFNRとICEのPCR産物量を算出した。IRFのPCR産物は制限酵素によりIRF-2のみを切断することにより識別し,IRF-1/-2比を求めた。
【結果】U87IRではIFNRmRNAの発現が認められなかった。IFNRおよびICEのmRNA発現率はIFN有効群,無効群間に有意差はなかったが、IFNRの相対的PCR産物量はIFN有効群が無効群を有意に上回った。一方IRF-1/-2比も両群間に有意差を認めた。
【結論】Glioma のIFN感受性を投与前に予測するにはIRF-1/-2比が最も有用であると考えられた。