ABSTRACT 2089(P9-5)
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IL-12 刺激による担癌患者NK, NKT, T細胞のIFN-γ産生能の比較検討:宇野賀津子1, 仁田浩2, 岸惇子1, 大森真理子1, 谷川真理1, 瀬戸口純子1, 早乙女秀雄3, 藤原大美4, 岸田綱太郎1 (1ルイ・パストゥール医学研, 2京都日赤血液セ, 3Genetics Inst., 4阪大・バイセ・腫瘍発生)

Differential responsiveness of NK, NKT and T cells in IL12- stimulated IFN-γ production. Uno, K., et al. (L.Pasteur Ctr. Med. Res., et al.)

【目的】癌患者末梢血のIL12に対する応答性に大きな差異が存在し、その応答性は患者のPerformance status (PS)に相関することを昨年の本学会で報告した。今回末梢血細胞をNK, NKT, T細胞に分離し、各細胞群の応答性を比較検討した。
【方法】癌患者および健常人末血から単核球を分離し、さらに抗体ビーズを用いてNK, NKT, T細胞に分離後、IL-12で刺激し、上清中のIFN-γを測定した。
【結果及び考察】NK/NKTは癌患者及び健常人の両群に大きな差はなく数十〜数百単位のIFN-γを産生したが、 PSの悪い症例ではIFN-γ産生能は低下している傾向がみとめられた。一方T細胞のIFN-γ産生には患者と健常人の間で差が認められた。即ち、健常人T細胞はIL-12の直接刺激に応答せず、抗CD3抗体による活性化後初めて応答したが、癌患者においてはT細胞が、IL-12の直接刺激により少量ではあるが、有意な量のIFN-γを産生する症例が認められた。以上、IL-12に反応して多量のIFN-γ産生する細胞は主としてNK,NKT細胞であり、又通常は活性化刺激を受けていないT細胞はIL-12に反応しないが、一部の癌患者ではIL-12 に直ちに反応するT細胞が存在していることが明かにされた。