ABSTRACT 2091(P9-5)
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IL-18とIL-12の併用効果(1):in vivo投与によるIFN-gamma産生と毒性:中村修治,土岐美和子,大谷健司,元田龍一,栗本雅司,折田薫三林原生化研・藤崎細胞セ,林原生化研・藤崎研)

Synergistic effects of IL-18 and IL-12 (1):In vivo effects on IFN-gamma production and toxicity: Shuji NAKAMURA1, Miwako TOKI1, Takeshi OTANI1, Ryuichi MOTODA1, Masashi KURIMOTO2, and Kunzo ORITA1 (1Fujisaki Cell Ctr., 2Fujisaki Inst., Hayashibara Biochem. Labs.)

【目的】前回の本学会で、IL-18がIL-12との併用によりマウス大腸癌Colon 26に対して相乗的なin vivo増殖抑制活性を示すこと、またその一方で強い毒性も引き起こすことを報告した。我々はこの毒性の原因が何であるかを知るため種々の実験系を用いて検討を行ったので報告する。【方法】BALB/cマウスにIL-18とIL-12各1μgを連日投与し毒性とサイトカインの誘導を観察した。血中のIFN-gamma、TNF-alpha、IL-1alpha、IL-1beta、IL-6の値をEIAにて測定した。IFN-gammaの毒性への関与を調べるため、抗IFN-gamma抗体で前処理する実験と、T細胞とNK細胞の影響をみるため、マウスを抗CD4、抗CD8、抗アシアロGM1抗体で前処理する実験を行った。【結果】IL-18とIL-12を連日投与すると2〜3日目より体重の減少、下痢、嗜眠状態が観察され5日目でほとんどのマウスが死亡した。広範な各種臓器の病変がみられ、endotoxin shock様の症状であったが、血中サイトカインの測定ではIFN-gammaの著しい誘導(1800〜4200IU/ml)がみられたがTNF-alphaが検出されず、endotoxin shockとは異なっていた。IFN-gammaの誘導はIL-18、IL-12の各単独投与に比べ100〜1000倍高い値を示し、顕著な相乗作用であった。IL-1alphaとIL-1betaの誘導はみられなかったが、IL-6が投与3回目以降に誘導され760pg/mlまで達した。抗IFN-gamma抗体処理で毒性の緩和がみられたことからIFN-gammaが毒性の主な原因であると考えられた。一方、T細胞とNK細胞を除去するとIFN-gammaの誘導が抑えられたが毒性の緩和がみられなかったことから、IFN-g以外の因子の関与も考えられた。