ABSTRACT 2093(P9-5)
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Interferon-βとInterferon-γ併用によるInterferonの抗腫瘍効果増強作用の研究.Meth-A皮下移植腫瘍におけるFas抗原の検討:竹森弘光, 坂田優青森県病・成人内, 消内)

Studies on enhancement of anti-tumor effect by combination Interferon-βand Interferon-γ. Examination of Fas antigen in Meth-A solid tumor: Hiromitsu TAKEMORI, Yuh SAKATA, (Dept. Aged Med.,Dept. Gastroenterol., Aomori Prefectural Central Hosp.)

[目的]我々はこれまでInterferon(IFN)-βとIFN-γ併用はIFNの抗腫瘍効果を増強し、Meth-A皮下移植腫瘍組織においてapotosis を誘導することを報告してきた。今回、そのapotosis 誘導の機序を明らかにするため、Meth-A皮下移植腫瘍組織内のFas抗原の存在について検討した。[方法]Balb/cマウス、murine recombinant IFNを実験に供した.Meth-A皮下移植腫瘍担癌マウスを生理食塩水投与群、IFN-β単独投与群、IFN-γ単独投与群、IFN-β・IFN-γ併用投与群の4群に分け7日間投与(IFNはIFN-β、IFN-γそれぞれ10万単位/日皮下注)後、腫瘍を摘出しホルマリン固定し、酵素抗体法による免疫組織染色を行った。Apoptosis はDNA 断片化をTUNEL法で、Fas抗原はanti-mouse Fas monoclonal antibody (rat IgG1)で検出した。[結果]IFNを投与したマウスのMeth-A腫瘍組織内では巣状壊死が観察されIFN併用によりその変化はさらに著明であり、apoptosisはIFN-γ単独<IFN-β単独<IFN-β・IFN-γ併用の順序で観察された。Fas抗原はapoptosisをきたしたMeth-A細胞のapoptotic bodyのみならずapoptosisの変化の見られないMeth-A細胞の細胞質でも陽性であった。Fas抗原はIFN-β・IFN-γ併用投与したマウスのMeth-A腫瘍組織で著明に観察された。 以上より、IFN-βとIFN-γ併用によるIFNの抗腫瘍効果増強作用にはFas抗原誘導が関与すると示唆された。