ABSTRACT 2094(P9-5)
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抗癌剤投与後の血球減少に対するミッドカイン(MK)の造血促進効果:菊池亮1,池松真也2,小田宗宏2,門松健治3,村松喬3,佐久間貞俊21産業医大・産保,2明治乳業・細胞セ,3名大・医・1生化)

Effect of Midkine(MK) about leukocyte reduction after antitumor agent adoministration : Makoto KIKUCHI1, Shinya IKEMATSU2, Munehiro ODA2, Kenji KADOMATSU3,Takashi MURAMATSU3,Sadatoshi SAKUMA2 (1Dept.Indust. Hlth.,Univ.Occup.Environ. Hlth., 2CTC, Meiji Milk prod.co., LTD., 3Dept.Biochem., Fac. Med.,Univ.Nagoya)

(目的)昨年の本総会で、rhMKがin vitroでヒト造血前駆細胞の増殖・分化を顕著に促進することを報告した。今回は、rhMKのin vivoにおける造血効果を検討した。
(試料及び方法)1.ICR♂マウスにrhMK200μg/kgを1日1回3日間ipし、4日目に抗癌剤(シクロフォスファミド;CY) 267mg/kgを1回ip、引き続き5日目よりrhMKを8日間、計11日間投与した(対照は生食水)。白血球数算定及び白血球を分類した。2.CYを1回ip後3日間休薬し、4日目以降rhMKを200μg/kg、1日1回連続ipし、7日目に末梢白血球数及び白血球分類を測定した。また骨髄細胞及び脾細胞中の造血前駆細胞(CFU-GM)数をコロニーアッセイ法で測定した。
(結果)1.CY投与で末梢白血球数は著減したが、rhMK11日間連続投与群では、白血球数が生食対照群よりも平均2.7倍高く、その増加は好中球が主であり、好酸球、好塩基球、単球及びリンパ球には著変は見られなかった。2.CY投与後3日間rhMK投与群では生食対照に比し有意に好中球の増加が認められ、CFU-GM数も有意に増加していた。
(考察)rhMKの抗癌剤投与後の白血球減少回復効果は、造血組織中のCFU-GMの増殖・分化の誘導を介していることが明らかとなった。