ABSTRACT 2106(P10-1)
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FDG-PETを用いた良性病変と悪性腫瘍の鑑別:delayed scan の有用性:中本裕士1,東達也1,阪原晴海1,佐賀恒夫1,今村正之2,小西淳二11京大・医・核, 2京大・医・1外)

Differencial diagnosis between benign and malignant tumors using FDG-PET: Evaluation of usefulness of delayed scan. Yuji NAKAMOTO1,Tatsuya HIGASHI1, Harumi SAKAHARA1, Tsuneo SAGA1, Masayuki IMAMURA2, Junji KONISHI1 (1Dept. of Nuc. Med., Kyoto Univ., 21st Dept. of Surgery, Kyoto Univ.)

[目的]腫瘍の良悪性の鑑別は形態学的な画像診断ではしばしば困難であるが、FDG-PETを用い腫瘍の糖代謝を評価することによりある程度可能となってきた。しかし良性病変でも代謝が活発なものがあり偽陽性の原因となっている。FDGの病巣への取り込みの時間的変化を追跡することにより良悪の鑑別に寄与し得ないかを検討した。[対象と方法]FDG-PETを施行し、手術あるいは経過観察にて診断の確定した17例(悪性腫瘍13例、良性病変4例)を検討対象とした。F-18-FDGを約370MBq(10mCi)投与し、従来の1時間後の撮像に加え、2時間後または3時間後の撮像を追加した。病巣部へのFDGの集積は放射能を体重で補正したSUV(standardized uptake value)で評価した。[結果]悪性腫瘍症例13例のうち11例で1時間後より2時間後あるいは3時間後の方がFDGの集積が高かった。良性病変ではいずれもSUV値が時間経過とともに減少する傾向が見られた。[結論]1時間後と2時間以後のFDGの集積を比較することによりFDG-PETによる良悪性の鑑別診断の精度が向上する可能性が示唆された。