ABSTRACT 2107(P10-1)
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経膣超音波カラードプラでとらえた境界悪性卵巣腫瘍の血管新生の特性:有働俊啓,江本 精,蜂須賀 徹,瓦林達比古(福岡大・産婦人科)

The blood flow characteristics in borderline ovarian tumors based on color Doppler ultrasound analysis: Toshihiro UDO,Makoto EMOTO,Toru HACHISUGA,Tatsuhiko KAWARABAYASHI. (Dept.of Ob/Gyn,Fukuoka Univ.)

[目的]境界悪性卵巣腫瘍の腫瘍内血流動態を調べ,良性及び悪性卵巣腫瘍と比較することにより本腫瘍の血管新生の特性を究明する.[方法]境界悪性卵巣腫瘍12例を対象とし,術前に経膣カラードプラにて腫瘍内血流の有無および腫瘍内血管の血流抵抗を調べた.比較対照として卵巣の良性腫瘍100例および悪性腫瘍32例において同様の検討を行った.血流抵抗指数はResistance Index (RI)とPulsatility Index (PI)を用いた.[成績]腫瘍内血流の検出率は,境界悪性が91.6%(11/12),良性が53% (53/100),悪性が90.3%(28/31)で境界悪性及び悪性腫瘍は良性腫瘍に比較して有意に高い検出率を示した(p<0.01).各腫瘍群の平均RI値および平均PI値は,境界悪性が0.46±0.1と0.67±0.19,良性が0.61±0.11と1.05±0.42,悪性が0.39±0.09と0.58±0.18であり,境界悪性および悪性は良性に比較して有意に低いRIおよびPI値を示した(p<0.01).[結論]腫瘍内血流動態の見地から,境界悪性腫瘍の血管新生は良性腫瘍よりも悪性腫瘍に近い性質であることが示唆された.